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◆ローレット加工とは

建築金物・製作金物の柘進工業

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ローレット加工とは金属に細かい凹凸を付ける加工で、滑り止めに利用できるので、あらゆるシーンで見かけるとてもなじみ深いもの。・・・らしいです。ローレットとは仏語で”roulette” 小さな輪の意が語源とのこと。スペルはカジノのルーレットと同じ。社内で仕事をしていると様々な言葉(主に専門用語)が飛び交います。金物素人の私にとってはたいてい初耳のもの。その中で最近気になっていたもの・・・それが今回の、ローレット加工。「このステップにローレット付けられるかなぁ」そんな言葉が聞こえ、何だろうとGoogle先生に頼り検索。

 

イマイチ言葉の説明だと分かりづらい。こんなのばかりが金物業界だなと思い始めております。勉強しなければ!でも、写真を見ると一目でそれだとわかりました。それがこれ。

 

「平目ローレット」

平行線の模様が入ります。

 

ライターの火花を飛ばす車輪の部分だったり、精密ドライバーの持ち手の部分だったりに使われてますね。

 

「綾目ローレット」

網目状に交差する模様が入ります。

 

ダンベルのシャフトや懐中電灯の持ち手の部分で使われています。使用例が完全な男子脳で・・・女子はわからないですねきっと。身の回りで分かりやすいのないかなとあたりを探したら見付けました。

 

わたしの製図用シャーペン

ノックする部分もローレット

 

グリップの部分もしっかりローレットしてました。

 

なお、ローレット加工に切削加工(その名の通り削る加工)と転造加工(型を押し付ける加工)があり、用途によってプロの製作金物屋が判断し、素材やコストを考え加工を行っていくそうです。

 

今回は意外と生活になじみ深い加工、ローレットのお話でした。

 

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◆タレパン加工とは(タレットパンチプレス)

建築金物・製作金物の柘進工業

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9月も終盤に入り秋分が過ぎました、これからの1ケ月は冬になる様子が1日ずつ、日を追うごとに変化していきます。

対応あわただしいですが頑張っていきましょう。

 

はい、今回はなんだこれ??と思う用語シリーズです。タイトルにもあるように”タレパン”・・・なんだこれです。以前一世を風靡した某ゆるゆるのキャラクターがまず出てきてしまいます。ありましたよね、こんなの、、、たしか好物が「すあま」で

tarepanda

こう、だれーーーんとした溶けた餅みたいな、パンダみたいな・・・もちろんこれではないようです。


実はタレパン加工とは、機械によって金属板に穴を打ち抜く加工で、タレットパンチプレス(turret punch press)加工の略。タレットと呼ばれる円柱状もしくは扇状のホルダに複数の歯をつけることが出来、加工する形状に合わせホルダを回転させ歯を替えて板金を打ち抜くので、複数の成型加工を同じ板上で連続で行うことが出来るもの。タレットと板を各々素早く動かし、任意の型で打ち抜いていきます。

 

これによって熟練の加工技術者でしかできなかったことがNC制御プログラムにより正確に素早く加工ができるようになっています。また専用の型がなくても二ブリング加工という、型を組み合わせての追い抜き加工もできるため、ある程度の自由度もある、優れた加工方法。

 

デメリット

■打ち抜く加工であることから3mmほどが限界であること。

■上から打ち抜くため下方にダレができやすいこと。

■加工機械が非常に高価であること。(数千万円から1億円台

 

ゆるキャラとはかけ離れた結構優れものの加工技術のようで、これはもう逆に、略し方に問題があると思います、はい。実はこの加工、50年の歴史があり工業技術の自動化に、いち早く着手しているタレパン加工。今後もさらなる進化が期待できそうです。

名前からはまったく想像がつかない物でしたよ。また、最近はレーザーと併用しており、3mmの限界厚だったのが3㎝以上が可能になったり、ダレができにくくなったり、パソコンと直接連動することにより効率化できているようです。

本日はタレパン加工についてでした。

 

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◆ローバルとは

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ローバルとは、ローバル株式会社の取り扱うサビ止め塗料の商品名常温亜鉛めっきの塗布剤で60年以上の歴史があります。塗膜中の亜鉛含有量が96%もあり、重ね塗り不要のもの、スプレータイプ等、取り扱う商品もバリエーション豊富です。長期間メンテナンスフリーであり、日差しが強く、高温多湿、塩害地域に当たる宮古島の暴露試験場では始めてから15年間サビが見られていないそう。一般サビ止め塗料と比較しても速乾性であり工期が1/3で済むので低コスト。使用シーンを選ばず、建築関連のみならず車両関連、船舶関連、多ジャンルに使用されているオールマイティ塗料です。


 

溶融亜鉛めっきが取れた、剥がれた、等の状態の際に再度溶融槽に入れられない設置済みのものや、大きいものなどに塗布し保護層を作れるもの。水溶性のものだと非危険物であるため、化学物質も含有していなく安全、安心、快適で屋内のメンテナンスにも使用でき、さらに塗り替えの際も水溶性のものは旧塗装を残した状態でもはがす手間は必要なく、重ね塗りできるので作業性にとても優れている。ただその場合は電気化学的なサビ止め効果は期待できないようです。

 

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rewite 2022/03/24

◆リン酸処理(パーカライジング) とは

建築金物・製作金物の柘進工業

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リン酸塩皮膜処理とは、化成処理の代表的な方法で、金属の表面に化学的に薄い皮膜を生成させることができる化成処理のことです。本日ご紹介するものは「りん酸、りん酸処理、りん酸亜鉛処理」と呼ばれるもの。正しくはリン酸塩皮膜処理こちらは淡いグレーから濃いグレーまで色味があり重厚感、自然石のような風合いが非常に美しく、手摺やパネル、庇、ルーバーなど様々な部位に塗装ではない仕上げ材として重宝されている、大人気の処理になります。

リン酸亜鉛処理

リン酸亜鉛処理


さて、製作金物屋の業界で高級感、重厚感、渋さが爆あがる大人気の仕上げがあるのをご存じでしょうか。めっきと言えばキラキラ、ピカピカしていて、以前紹介した溶融亜鉛めっき等はなじむというよりも、いかにも工業的で目立つものが多いのですが、リン酸は渋めな印象、落ち着いた風合いが特徴のとても重宝されている加工処理です。いうなれば金物のトレンドなんです。サッシの業界でもリン酸処理のカラーが出始めましたね。LIXILさんでいうと「ダスクグレー」がそれに当たると思います

 

コチラは弊社が製作したリン酸処理の施工例です。

 

施工例 庇

施工例 手すり

施工例 扉

 

歴史は古く、古代エジプトではすでに行われていて、19世紀のピラミッド発掘の際にりん酸処理された鉄片が出土している。これをもとにイギリスのパーカー兄弟によって製品化され工業製作が可能になったそう。その技術を利用し、元々は自動車の車体下地に使われ、錆止め効果として長く使われていた方法でしたが、見た目に高級感があり美しいとのことで見直され現在に至っています。下地には黒革鉄、その上にリン酸処理(パーカライジング)の処理液に漬け込みを行うと、うっすら表面の奥にスパングルが浮き出て、自然で落ち着いた独特の色合いが現われる。この他にも溶融亜鉛めっきの上にかけたり、ステンレスにかけたりと汎用性が高い処理です。

 

処理の工程は

①脱脂洗浄

②すすぎ洗い

③りん酸塩処理漕に漬ける

④2回目すすぎ洗い

⑤乾燥

 

上記のような工程を経て、新品であるのにエイジング処理されているように見えることで、ムラ感、色味ともに非常に重宝されるものとなったのもわかります。自然石や木材、「わびさび」や「いぶし銀」のような仕上げに非常に相性が良いので「和の雰囲気」にも合うんでしょうね。

 

今日はリン酸塩処理についてでした。

 

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◆建築現場には生き物がいっぱい3 (鳥編、魚編)

建築金物・製作金物の柘進工業

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第1弾で建築用語(動物編)を第2弾で建築用語(虫編)をご紹介しました。よろしかったらこちらもどうぞ。実はまだまだ生き物存在します。一般的に聞くものも、使ったこともあるかもしれないものもあるかもしれません。今回は第3弾として建築用語(鳥編、魚編)をご紹介します!それでは、どうぞ!!

 

 

鳥編 鳶(トビ) 鳶職(とびしょく) 高所で作業する職人さん
鴨(カモ) 鴨居(かもい) 引き戸の上部レール
雁(ガン) 雁行(がんこう) 斜めに並ぶ様子、群れでV字で飛ぶ様子から。
鳩(ハト) 鳩小屋(はとごや)

ビルなどの屋上に配置する、設備配管等の

雨仕舞の為の小屋

鶴(ツル) ツルハシ

かたい地面などを手作業で掘削する道具。

鶴のくちばしのようであることから。

 

どんな鳥なのか想像できました?鳩小屋に関しては学生時代に初めてその名を見て結構いろんな人がまだ鳩を飼っているんだなぁって変に納得してたのに。。。真相を聞いて恥ずかしさのあまり爆笑したことを思い出しました。

 

続いては!!!

 

 

魚編 鮟鱇(アンコウ) アンコウ 軒樋と竪樋の集水接合部。呼び樋。
蛸(タコ) タコ

手作業で地面を固めたり、杭を打つための

2、3本持ち手がある大型の槌のような道具

蝦(エビ) 蝦束(エビヅカ)

床の間の脇に設ける、違い棚の上段と下段を

つなげる部材。

海鼠(ナマコ) なまこ壁

土蔵の腰壁に使われる仕上。平瓦をかまぼこ状の

漆喰で押さえるもの。

鯰(ナマズ) 鯰棚(ナマズだな) 平行ではなく片方の面が狭まっていく棚。

 

もう大体は見た目なんですかね。印象としては底物の魚が多いような気がします。建築現場にいる生物たち、いかがだったでしょうか。その形には理由があり、理にかなっているものばかり。先人たちが知恵を絞り考えたのだとは思うのですが、、、なぜ名称に生物が多いのは謎です。そういえば、海外の建築用語もまぁまぁ生き物がいるので今度はそのご紹介でもしようかと思います。

 

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◆金物(かなもの)とは

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「かなもの」と読みます。金物とは金属製の器具や道具の総称で、鍋(なべ)、釜(かま)、匙(さじ)等の器具、鎖(くさり)、刃物(はもの)等の利器(りき)や工具、建築金物や家具金物の金具(かなぐ)などがあり用途別で呼び名が変わってきます。それらを扱っているのが金物屋です。主にできている(完成している)もの、製品としてそれだけで成り立つものを一般的な金物屋で取扱い、材料を仕入れ、加工し、組み上げた製品として取り扱い、現場に納め取り付けてているのが製作金物屋の弊社「柘進工業株式会社」になります。

 

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◆スラグ・スラッグ・のろ とは

建築金物・製作金物の柘進工業

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タイトルの「スラグ・スラッグ・のろ」はすべて同じ意味のもの。聞きなれない言葉ですが、何かというと、溶接時に出てくるかすのようなもの、不純物が結びついたものがそういわれます。また鉱滓(こうさい)ともいわれ、鉱石から精錬するときに出てくる、欲しい金属以外の不必要な鉱物成分の塊もそのように言います。つまり金属を融解した際に出てくる不要物、もしくは不必要に結合した非金属の事をいいます。これらはロスになるので、出来るだけでないように、減らしていけるようにしたいものがスラグです。基本的に溶接時に出てくるスラグは、溶接後すべてキレイに剥いで除去します。

さらに追加で溶接する際にも、残ったスラグを巻き込んでしまうと結合が不十分になってしまうので注意は必要。

 

ちなみに、スタジオジブリ映画の「天空の城ラピュタ」に出てくる主人公、「パズー」の住んでいる炭鉱町を「スラッグ渓谷」と言い、そのスラッグは同じ由来を持つものです。狙った金属が出来てこず、カス(スラッグ)しか出てこないことからそういわれるようになったという設定だそう。

slag vally

 

 

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rewrite 2022/3/24

◆スパッタとは

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溶接時に飛散する微粒子、要するに非常に小さい金属の丸いツブツブです。簡単に書いてしまいましたが主にアーク溶接の際に母材とワイヤとの間に抵抗発熱が発生しヒューズ作用によって溶けた微量の金属が飛び散り、スパッタとなって溶接箇所近辺に飛散します。飛散したスパッタはのちにきれいに除去しなければいけないのですが、その手間が製作時間のロスになります。なので、いかにスパッタを発生させなくすることが重要となってきます。

これの原因となるヒューズ作用が起こりづらい方法として一般的なアーク起動方法とくらべ、ワイヤリトラクト・アーク起動方法を行うことによりスパッタを大幅に減らしています。下記は簡単な流れを図解。

 

■一般的なアーク起動方法


①正転してワイヤを母材に近づける

②通電開始

③通電による先端部抵抗発熱

④ヒューズ作用により先端部溶断、スパッタ発生

⑤アーク安定(溶接及びワイヤ正転開始)

 

■ワイヤリトラクト・アーク起動方法

①正転してワイヤを母材に近づける

②ワイヤを低速で母材に触れるか触れないかまで送る

③通電させる

④通電させながら低速でワイヤを逆転させる(微量のアークを発生させながら離れる)

⑤アーク安定(溶接及びワイヤ正転開始)

この方法だと抵抗がほとんど起きず、スパッタの発生が大幅に減らせます。

溶接には気を使うことがたくさんありますが、その中の一つスパッタのお話でした。

 

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rewrite 2022/03/24

◆溶接ビードとは

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溶接ビードと言い、金属同士を溶接にてつなぎ合わせる際に発生する、うろこ状の溶接痕の盛り上がりの事をそういいます。これは溶接面の強化の他に、見た目の美しさを出す目的にも利用され、テクニックも様々だそう、これは職人さんの腕に左右されます。基本的には電流の大きさで変わり、電流が多ければ太く、電流が少なければ細く出来ます(溶接の方法でもこれは変わります)。また、使用用途や仕上方法で、ビードをつぶす、切削するやり方もあります。基本的には接続面を凹凸なくきれいにするのが良いとされていますが、ビードを利用した溶接アートなるものも存在しますし、前述の溶接痕そのものの工業加工的美しさを良しとしたりもします。なので一概につぶしたり、削り取ったりするのが良いとは限らないようです。

welding worker

 

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rewrite 2022/03/24

◆ブローホール・ピット とは

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今回は溶接欠陥の原因になるブローホールピット及びピンホールについてのお話。

まずは簡単に図示します。

■ブローホールとは金物の溶接時に水分、油分、気体、汚れ(スラグかす)等が溶接面に残り、ビード表面に出てくる前に凝固することでできる溶接部内部の空洞(ホール)。断裂、破断の原因になり溶接欠陥とされる。

 

■ピットはその空洞(ホール)が表面に出てきて穴状になったもの。同じく溶接欠陥となる。

 

ピンホールは針で刺したくらいの極小の穴。これも溶接欠陥。

 

こんな粒の空気穴が?平気でしょって思うかもしれませんが、これが原因で金属疲労による破断を引き起こす可能性があります。強固に固めるための溶接のはずなのに、重大な弱点を作っていてそれを見逃しているのと同じです。

 

この状態を回避するためには、

溶接面を清潔にする(サビ、油分、水分、有機物、スラグかす等を除去)。

母材間距離を正しく保つ。

溶接環境の防風を保つ。

亜鉛めっき済の場合溶接時に出る亜鉛蒸気を発生させないようにする。

 

以上の事に注意を払い溶接業務に取り組んでおります!

 

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rewrite 2022/03/25


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