◆製作金物とは、建築金物とは
製作金物、建築金物とは何でしょう。柘進工業で扱っている製品なのですがここで改めて、どういうものなのか簡単に説明させて頂きます。建築工事には様々な部材が使われていますが、製作金物とは、建築金物は建築に関するあらゆる金属部材を指します。基本的には躯体、配管等以外のものを言います。
●主に階段、タラップ、ステージ、デッキ、手摺、把手、グレーチング、フェンス、見切り材、巾木、幕板
●小さなものだと釘、蝶番、ビス、ワッシャー等のような機能性を重視した機能金物と
●商業施設等でよく使われるパネル、オブジェ、ルーバー、看板等の装飾性、ビジュアルを重視した装飾金物なんかもあります。
扱う金属素材も様々で、鉄(スチール)、アルミ、ステンレス、銅、真鍮など。これに仕上り方法が無数にあり、塗装、めっき、ブラスト、叩き、殴り、錆加工等々とてもバラエティに富んだ建築建材と言えます。この技術の根源は古く、紀元前5000年ほどから使用されていた歴史があり、世界中の歴史的遺跡や墳墓、住居跡などから技術の痕跡が出土されています。なので人類と共に歩みながら、古い技術を進化させ続け、現代の金物屋の無限のノウハウが出来ております。
我々の仕事内容は製作、販売、溶接、錆止め、板金加工、めっき加工や取付工事等金物加工、金物工事、雑工事に関わる、ありとあらゆる事柄に紐づいており、工場製作、現場製作も現場ごとに柔軟に対応し、進化させ続けた技術を活かしていくのがプロとしての職務と理解し、日々頑張ってまいりたいと思います。
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◆建築現場には生き物がいっぱい2 (虫編)
先日建築用語(動物編)をご紹介しましたが実は建築用語には虫の名前が付くものも多いんです。実際に家の中に蠢いているようでは困りますが、紹介するものはどれも便利かつ、必要なものばかり。今回は第2弾として虫編をご紹介します!
蝶(チョウ) | 蝶番(ちょうつがい) | ドア、フタ等の可動部に使用される金物 |
蛇(ヘビ) | 蛇口(じゃぐち) | 水道の先に付ける金属製の口 |
蜻蛉(トンボ) | トンボ | 地ならし用のT型に加工した道具 |
蟻(アリ) | 蟻継(ありつぎ) | 材木同士をつなぐ継ぎ手の一種 |
蝗(イナゴ) | イナゴ天井 | 和室の天井材を重ねて納める仕上 |
蛭(ヒル) | 蛭釘(ひるくぎ) | 茶室で炉の上部天井に設けられる金属製フック |
螻蛄(ケラ) | 螻羽(けらば) | 切妻屋根の三角形の屋根が壁より突き出た部分。 |
身近なものから、あまり聞かないものまでさまざまですよね。在来工法、和室関係が比較的多いような印象を受けます。そして弊社が得意な金物系が多いんです。
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◆めっきの実力
”めっき”でgoogle先生で検索をするとこんな説明があったりしますのでご紹介。日本語では貴金属(特に金)でめっきした卑金属(ベースメタル)が、外見ほどの価値を持たない点から、比喩として、今まで実力があるように見えていた人物が実はそうではなかったと判明した場合や、重大な失敗をした場合などに、「めっきがはげた」という表現がしばしば用いられます。
↑↑↑これは言われたくないですね、、、バレちゃってますもんね
関連する類似の表現として、美術品の制作などで、元はあまり価値のない下地素材に金箔などで装飾を施して価値のあるものを作ることから生じた比喩として、経歴の見た目をよくするための行為などを「箔をつける」と呼ぶことがあります。
↑↑↑これはつけたいです!!
印象としては、さほどでもない物を剝がれやすい安物で良く見せる。とか、そんな印象をもたれがち。でも、実はそうではありません。持っている力をさらに生かせるような万能加工なのです。
柘進工業では各種めっき加工の金物も1点ものの特注金物の製作も取り扱っております。(受注生産品になります)お電話、HP、メールにてお気軽にお問合せ下さいませ。
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◆塗装ではなく、めっき加工する訳
本日も一流金物マンを目指すべく先輩方にお伺いしながら目下勉強中です。弊社でも取り扱っているめっき加工。でも、、、正直塗装でいいのではないかなと思うこともあるのですが、なぜコストがあがる「めっき」なのでしょう。そもそも「めっき加工」とは固体の表面に金属の膜を張る技術のことです。特に製作金物・建築金物の世界でのメリットを並べてみました。
【ココがGOOD 1】
見た目をきれいにし、サビを防止。
【ココがGOOD 2】
表面を滑らかにし、摩耗に強く熱にも強くなる。
部品として強度を上げるために加工を行う。
【ココがGOOD 3】
抗菌・耐薬品の効果があり光の反射を抑える効果がある。
見た目だけの事かと思いましたが、強度が増すとか錆ないとか、抗菌・耐薬品と、製品が長持ちするメリットが多い印象。強固で隙間のないアーマーをまとっている感じでしょうか。
はい、たしかにこれならば塗装には絶対に出せない安心感がありますね。クライアント様も納得の金物になりそうです。
柘進工業では各種めっき加工の金物も1点ものの特注金物の製作も取り扱っております。(受注生産品になります)お電話、HP、メールにてお気軽にお問合せ下さいませ。
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◆建築現場には、生き物がいっぱい (動物編)
タイトルを見ると、動物園のような雰囲気醸し出していますが、これは建築用語の事。実は建築現場では生き物の名前がたくさん出てくるのです。その一例、勝手にご紹介していきます。
犬(イヌ)![]() |
犬走り | 建物の軒下の外周部にコンクリートや玉砂利を敷いた部分 |
狆潜り(チンくぐり) | 床の間と床脇の間の下方に設けらる穴 | |
猫(ネコ)![]() |
ネコ | 手押し一輪台車の意 |
猫脚(ねこあし) |
家具やバスタブなどの脚の形状が、上が広がり、 中がすぼまり、平たく丸い脚 |
|
馬(ウマ)![]() |
ウマ | 4つ脚の作業台等 |
猿(サル)![]() |
猿頬(さるぼう)縁 |
和室の天井材を押さえる面取りされた竿縁。 面取りされた形が猿の顔に似ていることから。 |
虎(トラ)![]() |
トラロープ | 黒と黄の縞々ロープ |
狐(キツネ)![]() |
狐格子(きつねごうし) |
木連格子(きづれごうし)とも呼ばれ、 材と隙間が同じ寸法の格子。 |
なかなか、潜んでますよね、そして結構使われるんです。現場初心者の新人スタッフが突然職人さんに言われて「ウマとってきて-」「えっ、、、ウ、マ・??な、何の話ですか。。」なんてなる事もあります。
上記のような建築用語生物とは、また違いますが「現場は生き物」と呼ばれます。失敗や、わからないところを放っておくと、現場は生き物なので現場は進んでしまい、聞きたいところに戻りたくても戻れなくなってしまいます。取り返しのつかないことにもなります。「確認できる時には、時間を惜しまず自分のものにしろ!」と私も良く言われました。折角の機会は逃したくないので金物初心者の僕は、しっかり学び取っていきたいと思います。
そしてまだまだ建築用語生物はたくさんいます。また別の機会に鳥編、虫編、魚編を紹介したいと思います。
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建築現場には生き物がいっぱい3 (鳥編、魚編)
◆メッキって何語?スペルは??由来
「メッキ」と片仮名で表記されることも少なくないため、外来語のように受け取られることもあるが、和製漢語とされる滅金(めっきん)に由来する語である。鍍金(ときん)ともいう。~出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
僕が金物業界に入り、よく耳にする言葉、「メッキ」これってよく聞きますが何語なんでしょう、略語かな、???のような疑問が生まれてきましたので、調べました。なるほど日本語なんですね、調べてみるものです。正しくはひらがなで書くのが正解、ちなみに英語だと plating だそうです。
柘進工業では各種めっき加工の金物も1点ものの特注金物の製作も取り扱っております。(受注生産品になります)お電話、HP、メールにてお気軽にお問合せ下さいませ。
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◆柘進工業ブログ re:start(リスタート)
しばらく滞っておりました ブログを再始動させます。担当のキヨです。何卒よろしく願い致します。柘進工業が手掛けている現場も多数増えております、施工例にて皆様にご紹介いたしますのでご期待下さい。
その前に私キヨの自己紹介を。。。
私は宮城県出身の千葉育ち、建築の専門学校を出てこのかた20年ほどずっと建築畑に身を置いております。この度柘進工業に入社させて頂き建築金物について初めて学ぶことになりました。今までは建物がメインの職種でしたが製作金物・建築金物となると勝手が違います。今までの知識をフル動員しても追いつかない深さがありました。なのでおごらず、初心に戻り、すべてを吸収するよう、日々精進し業務に取り組んでいきたいと考えておりますので、何卒宜しくお願い致します。
建築金物用語の基礎知識・・・玉掛けとは?
今日は一段と厳しい寒さですね!これを抜けたら少しは春らしくなるのかな?さて、更新が滞っておりましたが、本日のお題は玉掛け。実はこの言葉、グリーンファイル等を扱っていると、頻繁に出てくるのです。先月のアーク溶接と同じ。職人さんたちの資格のところに頻出するのです。80%くらいの職人さんは持っているような気がします。なぜでしょう、それは現場の「安全」に関わることだからです。
不思議なのはその名前、聞いただけではどんな資格なのかピンときません。「掛け」っていうくらいだから、何かを引っ掛けて運ぶこと、「玉」っていうのは玉結びの玉なのかなあとか想像していました。「玉掛け」を調べてみたところ、この予想は前半は△、後半は×でした!玉掛けというのは、クレーンなどを使う場合に、物を掛けるための器具の準備、掛け、移動、外す、そして設置する作業のことです。荷物の重さにかかわらず、クレーン等の能力が1トン以上の場合に、ワイヤーをシャックルに掛け、荷物を吊り上げたりさせる場合は、玉掛け技能講習の修了者であることが必要です。1トン未満の場合には、特別教育でよいようです。
しかし「玉掛け」なぜそのような名前になったかというと諸説がありすぎて絞り切れないのですが、大事なもの、持ちにくいもの、宝物などを指す言葉が「玉」なので、そのくらい丁寧に扱わなければいけないものという事がわかります。作業自体を見てみるとそんなに複雑な技能ではない・・・ように見えましたが、玉掛けと一口で言っても掛け方は用途により様々な方法があります。それゆえ選択を間違えての作業中の事故は非常に多いそうです。残念ながら現場事故のワーストワンが資材落下の事故です。なので正確な知識と、的確な判断が要求されるとても重要な作業なのですね。
直接建築金物には関連しないようですが、重い金属資材を扱うとき、安全に必要なものを確実に設置するためには必ず必要となる資格。なので、この資格を持っている職人さんも多いのです!
ちなみに掛け声について
オペレーターと合図者とのやり取りで使われている独特の用語が存在します。
ゴーヘイ:フックを巻き上げる 【go ahead:進め、前進の意】
スラー:フックを巻き下げる 【slack away:たるむの意】
チョイチョイ:フックを少し移動 【これはちょっとの意】
オヤゴーヘイ:ブームを起こす 【親を足すことでブームへの指示に代わる】
オヤスラ―:ブームを倒す 【親を足すことでブームへの指示に代わる】
会社、職種により少しずつ変わっているのですが基本的にはこのような合図が出されています。
今回は、資格は取りやすいが、奥がかな-ーり深い「玉掛け」についてでした。
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建築金物用語の基礎知識 アーク溶接
こんにちは!建築金物用語シリーズ。今日はアーク溶接を調べてみました。この言葉をよく目にするのは安全書類の資格です。アーク溶接とガス溶接は持っている方多いですね。では調べてみましょう!
アーク溶接とは空気(気体)中の放電現象(アーク放電)を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接法。放電させることによって、生じる高熱(約5000℃~20000℃!!)で母材と溶化材を溶融させて、分子原子レベルで融合一体化する接合法だそうです。鉄の溶融温度が1500℃なのでかなり高温で溶かされ接合されます。いわゆる「接着」とは全く違うことに注意。
コチラは大まかに分けた模式図でこれが限りではありませんが、アーク溶接には大きく分けて2種類に分けられ、電極を溶かさない非消耗式と、電極自体を消耗していく消耗式があります。アーク放電という電気的現象を利用するもので、電極2極の間に電圧をかけ強い光と熱を持つ、弧を描く光のアーク(Arc)を発生させ溶接させていく方法です。
溶化材料とは、これもよく聞きます。溶接棒。溶接棒がなくなっちゃったから買っといてと、職人さんに頼まれることもあります。この溶接棒の芯線から発生するアークを、被覆材から発生したガスでシールドして、空気が溶接部に混入するのを防止しながら、溶接していきます。被覆材の成分は、スラグとなってビード形状の成型の働きもします。この被覆アーク溶接は手溶接、手棒溶接と言うことがあります。この溶接は職人さんの腕に左右されるもので経験値が物を言う世界。
また、溶接棒は交換の必要があるため、溶接材として非常に長いワイヤーを使用する半自動アーク溶接もあります。半自動は溶化棒を必要としないので作業としては腕に左右されづらい溶接法です。ガスシールドアークは風に弱いので、屋外ではなく工場内で使われます。アーク溶接を行う際には、労働安全衛生法第59条3項「アーク溶接」による特別教育を終了する必要があります。これが、みなさんが持っているアーク溶接の資格。アーク溶接は強烈な紫外線を発生するため(日光以上)、長袖、長ズボン、溶接面、皮手袋が必須。
また、ヒューム(フューム)と呼ばれる酸化鉄、マンガンからなる煙が発生するので、防塵マスク、さらに換気設備が必要になり、2021年法改正されました。日本とヨーロッパや米国ではシールドガスの種類が違うようで、日本では炭酸ガスによるアーク溶接が主流ですが、欧米ではアルゴンが主流のようです。
なんとなくアーク溶接の原理は理解できたものの、調べていくと、これはとても熟練が必要な技術のようです。文字で書いていると簡単なんですが、実際は煙やらドロドロに溶けたスラグやらでなかなかどこを溶接しているかもよく見えなかったりするそうです。職人さんはすごいですね。改めて尊敬と感謝です。
というわけで、今回はアーク溶接でした!
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建築金物用語 調べてみました! ドブメッキ
入社した日から、毎日のように耳にした言葉。「ドブメッキ」メッキなら聞いたことある。ドブって?
このドブというのは、語源はそう、あのドブです。道の横にある。(今はないところも多いですね)メッキの処理液が入った槽をドブというので、ドブメッキ。この「ドブ」にメッキしたいボルトだとか板とかを浸すのだそうです。このドブという言葉も諸説あるのですが、ドブには「全て」という意味があることから(初めて聞きました、、、)、すべてを漬け込むという意味で「ドブ漬け」という。とか、どぼっと漬けることから「ドボ漬け」が転じて「ドブ漬け」になったとか、、、
ドブメッキ、ドブ漬けはWikipediaによると、正式名称は溶融亜鉛メッキ。鋼材の表面に450℃程の高温にした亜鉛の被膜を施すことで、鋼材の腐食を防止します。漬け込む金物の形状によってはガス抜き孔、湯抜き孔と呼ばれるメッキだまり、ガスだまりを作らないようにする工夫をしないと腐食箇所が出来てしまうので注意。また形状によってはひっかけてメッキ層に漬けるのでかかり用の穴も必要になったりします。
ペンキ等とは違い、衝撃や摩擦で剥離することがないため、主に室内では基本メンテナンスフリーで耐食性、耐久性に優れています。もし傷がついても自ら傷を塞ぐ、犠牲防食作用もある優れモノ。スパングルという亜鉛が結晶化した花紋が出ます。錆びないと言われているステンレスと比較しても、費用も安価で製作できるので、かなり流通していてポピュラーな加工であると言えます。海水に対しても土壌中でも耐食性があるのも驚きです。ただ、歩行用の床面や手摺、タラップの手掛かり部など、常に負荷がかかるところに使用されている場合補修等のメンテナンスは必要です。
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rewrite 2022/3/18